こんにちは。河原です。
前回に引き続いて『人生を変える幸せの腰痛学校』について書いてみたいと思います。
この本はTMS理論とアドラー心理学の考え方をベースにして書かれているようです。
TMS理論とはアメリカのジョン・サーノ博士が提唱した腰痛治療の理論です。これまでの常識を覆す、革新的なもので、当時のアメリカで大きな反響を呼びました。日本では長谷川淳史氏が第一人者として普及活動をなさっています。
TMS理論を理解するには「プラシーボ」と「ノーシーボ」という言葉の意味をまず知る必要があるように思います。
「プラシーボ」とは偽薬効果と翻訳されます。医学的には全く何の効果もない薬(小麦粉の固まりなど)でも、権威のあるお医者さんから「新しく開発された特効薬だ」と言われて服用すれば、思い込みだけで一定の効果が出るという現象です。
「ノーシーボ」とはその全く反対です。体には何の異常もないのに、それが「有害だ」と刷り込まれ、信じ込んだ時に、実際に心身に不調がおこってしまう現象です。
「病は気から」という言葉があります。気の持ちようが身体に与える影響の大きさは、経験則として昔から、知られていたことです。現代ではそれが膨大な実験データに基づいて科学的に実証されているということですね。
腰痛治療の世界には、この「ノーシーボ」の原因となりうる、怪しげな情報があふれかえっています。
・椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みを引き起こす
・骨盤のゆがみに代表される、体のアンバランス、不良姿勢が痛みを引き起こす
・重いものを持つと腰を痛めやすい
・季節の変わり目・寒さなどが痛みを引き起こす
・加齢による筋力低下が痛みを引き起こす
・運動不足が痛みを引き起こす
しかし現実を眺めてみれば、これらの説明はほとんどが証明不可能な仮説レベルのものだということが明らかです。背骨が生まれつき変形していても、腰の痛まない人はいくらでもいます。統計をとってみれば、加齢や職種・運動歴と腰痛の患者さんの数は何ら相関関係がないことは明らかになっています。
しかし専門家の先生方は、自信たっぷりにそれぞれの見地から「これが腰痛の原因だ!」と断言してしまいます。そしてわが治療法こそが最良であると声高に叫びます。腰痛に悩み治療院をわたりあるく一般の方々は、長年にわたって何百回何千回とその刷り込みを受けてしまいます。
やがてその刷り込みはその人の中で変えがたい真実となります。自身で「私の腰が悪いのは○○のせいだ」と原因を決め込みます。まちがった決めつけ思い込みに従って行動するわけですから、治るはずもありません。さらに痛みの世界へと深入りして抜け出せなくなってしまいます。
人間関係の世界でも「私が不幸なのは誰誰のせいだ」と決め込み、他者や環境を恨んで攻撃する人はさらなる不幸に落ち込んでいくのに似ていますね。
TMS理論ではこれらの刷り込みをカウンセリング・グループ療法によって取り去っていくことを一番の治療法としています。
この『幸せの腰痛学校』はそのカウンセリング・グループ療法のいきさつを小説仕立てで描いた本だとも言えると思います。
では、腰痛に対する思い込み・刷り込みを消し、「ノーシーボ」をなくすことが、本当に最善の腰痛治療なのでしょうか?日々現場にいて施術を行っている者の立場から、次回、私見を述べてみたいと思います。
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