こんにちは。河原です。
前回に引き続き、TMS理論について書いてみたいと思います。
TMS理論は、腰痛に関する信頼度の高い情報を広める上で、大きな貢献をしてきました。講演や書籍の出版を通して、これまで信じられてきた腰痛に関する情報のあやふやな部分に切り込み、誤解を解いてきました。腰痛治療に携わる人はもちろん、痛みがない方にもとても読みごたえがある貴重な情報です。
ご来院者様と初回カウンセリングで、お話していても、痛みの原因は骨や軟骨の構造異常にあるとは限らない、という認識が一般レベルにまで浸透していっているのを感じます。整形外科のお医者さんも、たとえレントゲンを撮って脊柱の変形を認めても、「それが原因だ」と断定してしまうのを避ける傾向にあるように感じます。
医療が発達して今まで不治の病と恐れられていた病気も、現代では問題なく完治したり、健康被害がないレベルまで抑えることができるようになりました。そんな中、腰痛・坐骨神経痛・肩こりなど筋骨格系の慢性疼痛に悩む方々の数は増える一方です。
では、一般患者さんのなかにTMSが発信している正しい情報が、このまま広まっていけば慢性痛に苦しむ方々の数は本当に減るのでしょうか?私にはどうしてもそう思えません。
その問題について考えるとき、「不定愁訴」という言葉の意味を共通認識として持っている必要があると思います。「不定」とは診断が定まらないことをさします。つまり現代医学では原因が特定できないけれども、患者さんには確かに体のつらさがあって悩んでいるという状態です。患者さんの主観的訴えですから、改善の尺度も当然、ご本人の感覚にゆだねられます。治療者や第三者が客観的に測定することはそもそも無理なものです。
TMS理論においてはその不定の部分を「心因性」「ストレス」に置き換えてしまう傾向が強いように感じます。
腰痛など筋骨格系の慢性痛は、機能的疾患(たまたまその時、働きがうまく回っていないため不調が出ている状態)です。器質的疾患(病理的異常)とはもともと切り離して、別枠で扱うべき、問題です。
人生80年もありますから、いろんなことがあります。時には限界を超えたストレスにさらされることもあります。逆らいがたい理不尽に押しつぶされそうになることがあります。事故に巻き込まれ不遇のどん底に落ちることもあります。
外部環境から受けるストレスが心身が、限界を迎えたとき、自身からのSOSとして痛みがでます。限界を超えたときは強制終了がかかって動けなくなります。痛みは体が取り返しがつかない状態になってしまう前に働く防衛反応であり、憎むべき敵ではありません。
「痛み」を根治・根絶するということは、その方のストレスや人生苦の源を未来永劫に渡って抜き去ると言うに等しいことです。そんなことは人間が人間にして差し上げられることではありません。
慢性痛に関して「完治」を強く言いすぎることは、もしかしたら治療者側の傲慢なのかもしれませんね。
*********************************
腰痛・肩こり・産前、産後の骨盤・手足のしびれなら新規
【大川カイロプラクティックセンター神楽坂整体院】
南北線:飯田橋駅から徒歩5分
東西線:神楽坂駅から徒歩3分
大江戸線:牛込神楽坂駅から徒歩3分
神楽坂通り沿い毘沙門天善國寺さん並び神楽坂上そば
電話 03-6457-5281「ブログを見て・・・」とお電話ください。
受付:平日 10:00~20:00 土日祝 10:00~16:00
お問合せフォームは年中無休、24時間受付中
ご相談・質問などもお気軽に!
*********************************