みなさんこんにちは!昨日は品川の会場で長年にわたって日本の腰痛治療と研究の頂点のおられる菊地臣一先生の講演会『EBMが明らかにしたNBMの重要性-腰痛診療を通じて-』に出席してきました。
これまで幾つもの著作を拝読し、尊敬してやまない菊地先生の貴重なお話をじっくりと伺うことができました。
菊地臣一先生(福島県立医科大学常任顧問兼ふくしま国際医療科学センター常勤参与)の講演会にて。
国際水準のエビデンス、現代医療の課題、そして今後の腰痛治療の方向性。
学術研究の深淵さ、困難さ、意義深さもさることながら、どれだけ熱い思いで、緻密に冷静に腰痛治療にお一人おひとりの患者さんと向き合ってこられたのか。
EBMとNBM。サイエンスとアート。科学的に探求すればするほど人間力、対話力、手あての世界に近づいて行かざるを得ない。分子レベルの研究から複雑系まで。
興味深いお話を直にふんだんにお聞かせ頂く事ができました。
『EBMが明らかにしたNBMの重要性―腰痛診療を通じて―』深い学びの機会でした。有難い時間でした。開催運営いただいたTMSジャパン長谷川淳史先生に感謝します!https://www.facebook.com/tms.japan.museum/
菊地先生のお父様は水戸藩柔術師範の家系だそうで、大変な治療技術を持った柔道整復師だったそうです。先生は当初法曹界を目指していたそうなのですが親孝行のために医科大学に進路を変えて医師になったおうですが、カイロプラクティックの脊柱矯正施術をしてみせたり、従来の医療の常識とは異なる論調の出版をしたりと整形外科医としてはかなり革新的なことをなさってきたそうです。「常識を疑い挑戦する」「批判精神を持つ」「医療は異端の歴史である」とのお言葉が印象的でした。
講演会の前半は120枚にもわたるパワーポイントのスライドで主に欧米の論文からの引用をもとに最新の整形外科のエビデンスや医療の課題、新常識などを解説してくださいました。
・医療は分子レベルの研究から複雑系へ
・原因はなくても個体は症状を発生させることもある
・医療にはバイアス(偏り)がつきものRCT(無作為抽出比較試験)が必要
・スタディデザインの優れた報告が増え、かつての医療や手術は退場し始めた。
(無意味な医療や不用な手術があきらかになってきた)
・プラセボ(偽薬)は有効といえる。ドラマチックな手術・注射・医療スタッフの手厚いかかわりも。
・膝や肩の施術は無意味なものもあることが証明されている
・データも大事だが臨床で大事なのはひとり一人の患者さん。ひとはそれぞれ one&onlyである。
・医療従事者に求められるもの
①気さくさ②品位③患者さんへの共感
・電子カルテ化が進み、医師はますます多忙で燃え尽きる、医師のうつが心配
・レッドフラッグや神経学的所見に対するスクリーニングが不十分
・腰の痛みは構造的問題だけでなく心理的社会的要因の影響がみのがせない(怒り不安敵意など)
・「健全な肉体は健全な精神に宿る」
・目に見える器質的問題ではなく、目に見えない機能的問題
・ヘルニア手術しても結果が出ない例の70%近くは梨状筋症候群
・「見解の一致した慢性腰痛の定義はない」ために腰痛の過剰診療がが横行している可能性がある
・欧米医療の画像診断では「ずれている」「つぶれている」のが原因とレポートすることが制限されている
・20分程度のウォーキングが5%程度の炎症抑制効果がある
・腰痛に完治はない。風邪のように、なったり、治ったりを繰り返すものと受け止める
・・・
以上はわたしのつたないメモの一部からです。これ以上は控えますね。
福島の地から、日本全国の脊柱脊髄学会をリードされ、海外でも活躍されている菊地先生ですが、あり方はもう町の優しい開業医の先生の親しみやすがあふれています。本当に日本の医療と国益を考えて日々生きておられることがひしひしと伝わってきました。
先生の代表的な著作から2点紹介します。
長年の慢性腰痛で悩んでいる方、手術を受けるかどうか悩んでいるかた、手術を受けたけれども思わしくない方も、腰痛治療にかかわるかたも是非ご一読されることをオススメします。
中学以来の腰痛持ちであり、椎間板ヘルニアの手術を受けた経験のある施術家であるわたしにとってもバイブルのような書籍です。
実はこのほかに「腰痛をめぐる常識のウソ」という腰痛については長らく一番購読されている本があるのですが、それはまた別の機会にご紹介しますね。
カラダ快適。こころも余裕。和のカイロプラクター村井雅紀
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